
「個別性」ってなに?
具体的にどんなふうに考えればいいんだろう…?
今回はこんな疑問に答えます。
個別性について参考書などで勉強しても抽象的に書いてあることが多くなかなか自分の看護に当てはめて考えるのが難しいですよね。私も看護師1年目の頃はプリセプターや指導者に毎朝「で、個別性は?」と言われていました。しかし、具体的に「個別性とはこういうものだよ」と教えてもらうこともなく、いまいち個別性というものが掴めず毎朝の観察項目の発表が嫌で嫌で仕方ありませんでした。
ここで少し私の紹介をさせてください。この記事を書く私は現役で内科病棟に勤務する看護師です。看護師1年目で残業と人間関係に悩み転職しました。現在は残業なし、人間関係もそこそこ良好な病院で指導者をしています。少しでも看護師1年目を乗り越えるために役に立つ情報を伝えたいという思いから、このブログを書いています。
それでは本題に入りましょう。
観察項目の考え方

まず個別性を考える前に観察項目について考えてみましょう。毎朝指導者やプリセプターに観察項目を発表すると思います。
皆さんはどのように観察項目を考えてきていますか?
おそらく受け持ちの患者さんの疾患の観察項目を本やインターネットから引っ張ってきている方が多いと思います。私がそうでした。これ自体は全然間違いではありませんし、観察項目の大枠を捉えるという目的でむしろどんどん調べてください。
しかし、それだけを観察項目として書いて行ってもきっと突っ込まれてしまいます。では、なぜ突っ込まれてしまうのか?
個別性が不足してるからなんですね。では次は個別性のある観察項目について考えていきましょう。
個別性のある観察項目

よく観察項目を発表していると指導者やプリセプターに「個別性は?」と聞かれますよね。指導者が求めている観察項目は患者の個別性を含めた観察項目なのです。じゃあ個別性って何なの?という話をしたいと思います。
結論は、「その患者さんに必要な観察項目」だと私は思っています。
当たり前だと思った方もいると思います。でも案外深堀していくとこんな当たり前のことができてない方も多いんです。具体的な例を挙げて解説していきます。
個別性の具体例
例えば寝たきりの患者の観察項目として「ふらつき」や「歩行状態」は必要ないですよね。このように、「寝たきり」とういう状態も患者の個別性です。ADL自立の患者に褥瘡のリスクは非常に低いですよね。寝たきりの患者の場合には皮膚の状態を観察することは非常に重要ですが自立の患者の場合には重要ではないのです。このように、ADLひとつとっても個別性に結びついてきます。患者さんが自宅退院を希望していてポータブルトイレを使えるレベルなら家族も介護できるということであれば、その患者さんのADLはそのレベルに到達しているのか?リハビリは進んでいるのか?看護の面からも自立を促す援助ができているのか、などの観察項目が生まれてくるわけです。これは「個別性を含めた援助」にもつながってきますね。
次の例です。肺炎患者で、点滴治療をしている2人の患者がいます。1人は若く理解力がありますがもう1人は認知症が強くコミュニケーションも難しいとします。この場合の観察項目として新人看護師は肺炎に対する観察項目(咳嗽、喀痰、発熱…etc)を挙げてきます。インターネットで調べれば簡単に観察項目が出てきますよね。
でも、それだと「個別性は?」と指導者から言われてしまいます。
では個別性を考えてみましょう。
理解力のある患者は問題なく点滴治療ができるでしょう。認知症のるある患者の場合、点滴を認識できず自己抜去のリスクがあり効果的に治療が行えないかもしれません。そこで「点滴の自己抜去歴がないか」「点滴類のルートいじりがないか」「自己抜去への対策がとられているか」などの個別性を含めた観察項目が追加になるわけです。
これは単なる一例です。他にも、肺炎で治療に使用している薬剤が異なればそれぞれの副作用があるはずです。そういったことも観察項目に含まれてきますね。既往歴も重要な個別性です。例えばステロイド治療をしている患者は血糖値の観察が大切ですよね。そこで既往にDMがあるかないか非常に重要になってきます。
インターネットや参考書で大枠の観察項目を探すのはもちろん構いません。しかしそれをそのまま観察項目として指導者に発表すれば個別性もへったくれも無いのですから突っ込まれますよね。大切なのは疾患の観察項目ではなく、患者の観察項目という目を持つことです。
観察項目から行動計画が見えてくる!

さらに、観察項目について「いつどうやって観察するか」まで具体的考えているでしょうか。これは私もよく新人看護師に問います。
栄養状態であればカルテで検査値を確認したり体重を測るのもいいかもしれません、ふらつきであれば患者の歩行時の様子を一緒に観察する、褥瘡であればオムツ交換の際に観察し前回の評価と比較する、など観察項目一つとっても方法は様々あると思います。
観察項目について、観察方法まで考えていくと行動計画に直結してくるのです。この観察項目をみるためにはこの時間に何をする必要がある、ということが見えてくるので自然と1日どのように動けばいいかがわかってきます。
まとめ

いかがだったでしょうか。個別性のある観察項目とは「その患者さんに必要な観察項目」。簡単そうに聞こえるけど実は奥深い言葉だと私は思います。
私の意見が100%正しいとは思っていません。100人いれば100通りの看護、考え方があるのです。辛い新人看護師時代を乗り越える方法として、少しでも参考になれば幸いです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。

